四季一筆

徒然に。

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

弥生晦日、マシュマロ投資

明日から新小学5年生の息子が持ち帰った塾の国語教材に、クロアリがクロシジミという蝶の幼虫を育てるという話があった。 本来的に肉食でもあるクロアリが、クロシジミの幼虫を巣に持ち帰って育てるという話。どのようなメカニズムで、そんな共生関係が成立…

弥生三十日、寝床の雪原

家族の寝床を用意するにあたって、畳の上に敷布団を敷き、その上に敷布を広げる。夏ならサラサラで風のよく通る麻とかなんだけど、まだ冬の装いのままなので、ふわふわの起毛タイプの敷布を使っている。手触りはまるでチンチラという猫の毛のように柔らかい…

弥生二十九日、不自由という信頼

いまは既に修了式は終わって春休みだが、まだ三学期も半ば頃のこと、小学校で出された調べ学習でネットで検索しろとか、Wikipediaを使えとか指示されたと息子が言って、だから家のパソコンで調べるんだ、と。 調べ物といえば、まずは紙の参考図書だろうと思…

弥生二十八日、暖気

もう摂氏1度高いと夏日という陽気だった。その中を、息子の予防接種に付き合って近所の病院へ。生まれてすぐの赤ん坊のころからお世話になっている小児科だけど、久しぶりに行ってみると看護師のみなさんから「おおきくなったねぇ!」と言われて、ちょっと口…

弥生二十七日、その後の平城京

奈良から戻ってきてGoogleマップの航空写真とか見ていると、かつて内裏などがあった平城宮跡は観光地として機能するように整備されているので、場所がはっきりとわかるのだが、そこから南に向かってかつて延びていた朱雀大路が全然わからない。かつて、7、80…

弥生二十六日、日常に戻る

1200年あまりの時の隔たりを時速200キロで戻ってきた。とにかく東大寺はでかかった。 いや、「大きい」とか「でかい」では足りなくて、縦書きの「ドカーン!!」で、それも手書きの荒ぶる毛筆タッチで最後は二重感嘆符でないと。 その「ドカーン!!」が正倉院、…

弥生二十五日、奈良

奈良に来ている。「与楽の飯」(澤田瞳子、光文社、2015)を読んで以来、作中の情景に坂道が登場する、それもかなりきつめの坂らしいので、気になって確かめに来た。 ◇ ◇ 東京から新幹線で京都、そして、近鉄奈良線に乗り換えて奈良に到着したのは昼過ぎだっ…

弥生二十四日、野球観戦(テレビで)

春休みに入った息子が、朝食を食べてすぐに「外遊びにいきたい」と言うわけだが、外遊びなんて普段からやっていること。 春休みという宿題のない長期休暇なんだから、午前中から勉強するのも悪くないぞ、取り敢えず、これからの二週間で何をやるのか考えてみ…

弥生二十三日、巻き爪

最近気づいたのだが、靴をはかなくなって足指の巻き爪が治った。 足の“おやゆび”=母趾の爪が巻き込んで、歩くと渋いように痛かったのだが、革靴を履いて通勤していたからだ。先の円いゆとりのある靴を選ぶようにしたり、いわゆるウォーキングシューズと言わ…

弥生二十二日、自然に驚け

「まず自然の驚異に驚け」のようなことを、どこかの有名な人が言ったような気がするが、誰だったのか、はたまた、果たしてそんなことを言った人が本当にいたのかどうかわからない。 けど、この言葉は自然科学の第一歩なんだろうと思う。日本では生き残るため…

弥生二十一日、問いを立てる

寒くて、あまりにも寒いので、F中市のお寺から戻ってきて、台所でネギラーメンを作って一人で食べた。カミサンも息子も要らないらしい。春のお彼岸の法要のあとで、K分寺の駅ビルで食べたお上品なミートソース・スパゲティだけでは足りなかった。そして、…

弥生二十日、春のテンキ

きょうで息子の小学校4年生の授業が修了。帰ってくるなり「宿題、ないよ」て、そりゃそうだろう。地方によっては卒業式だったところも多いらしい。 明日は春分の日で、お寺で春の彼岸の法要があるので、帰ってきた冬の嵐の中を出かけることになる。天気予報…

弥生十九日、延長不可

先日、出先で「絵画表現のしくみ」(美術出版社、2000)を眺めていたら、巻末にある画家インタビューに紙を何年か寝かせてから描く、のようなことが載っていた。その作家はパステルを使うんだったと思うけど、紙って寝かせると違うのか、そうなのか。 ◇ ◇ 寝か…

弥生十八日、プチ・ヴェール

カミサンが買ってきたプチ・ヴェールという野菜を食べたところ、結構よかった。いまから30年ほど前に静岡県で開発された芽キャベツの一種らしい。 ◇ ◇ この秋冬は気温が低すぎて野菜ができなくて、もう、キャベツなんて3か月くらい買っていない気がする。最…

弥生十七日、似る

息子と一緒に床屋に行って、髪を切ってもらった。息子の髪の毛を切るのは、幼児のころから理髪店でやってもらっている。 私自身は、小学校の高学年ころまで、父親が洗面所や浴室で切ってくれていたが、素人が切るから下手だし、被っている髪よけのケープがビ…

弥生十六日、学ぶ

学ぶとは真似ることだそうで、真似るためには対象をよく観察しないといけない。 観察というのは漫然と眺めやっているのではなくて、何が同じ、何が違う、を意識すること、識別することが基本となる。識別の物差しが、ときには時間だったり(アサガオの観察)…

弥生十五日、だらしなさの裏表

何だか色んなことをやって疲れ切って、ハッと目覚めてみると朝、カーテンの隙間から漏れている随分と明るい光の影で目覚まし時計を見ると10時2分で、やばっ、「遅れます」コールを入れないと、まだ始業から2分だから連絡可能な範囲で、デスクは席にいるはず…

弥生十四日、白日

すっかり暖かくなって、自転車に乗るのに手袋が煩わしくなってきた。指なしに切り替える季節が訪れた。暖かさのおかげでサクラの開花予想が早まっているらしい。卒業式に花びら、入学式には若葉となるか。 ◇ ◇ 朝、ゴミを出しにでると、空には雲がなくどこま…

弥生十三日、にほふがごとく今

先週までは、風呂上がりに寝間着を着ないでいると、体が冷えてしまう季節だった。それが終わろうとしている。風呂上がりに、扇風機の風に当たるのが心地よくなってきた。 ◇ ◇ 閉め切っていた廊下への扉を開き、玄関の内側にぶら下げた防寒カーテンを取り外す…

弥生十二日、戦うコーヒー

コーヒーを淹れて、ほぼ毎日飲んでいるけど、飲み頃の温度がある。もちろん、熱湯でないとうまく抽出はできないから、沸騰したお湯が必要で、けれども、その温度では熱すぎてそのまま飲めば火傷する。かといって冷めすぎてしまうと哀しくなる。 ◇ ◇ 飲むのに…

弥生十一日、中継録画

『死都日本』(石黒耀、講談社)なんて読んでしまったから、霧島・新燃岳の噴火が他人事じゃないように感じられ、しばしば、NHKの中継動画なんぞを見てしまう。別段、大噴火しているとか火砕流が山腹を駆け下りているわけでもなく、山頂部分からゆっくりと白…

弥生十日、甘口のポークカレーライス

唐突に甘口のカレーライス、それもポークカレーを食べたくなった。 ◇ ◇ 当時はレトルトカレーの種類は少なくて、そもそも親がレトルトカレーなんて信用していなかったから、子供の頃のカレーライスは自宅の台所で作られるのが普通だった。カレールーを買って…

弥生九日、毎日が新鮮

7年前のきょうは水曜日。午前中に病院にゆき、午後は会社を休んだのだった。 ◇ ◇ 前年の手術の後、抗癌剤治療をやっていて、その副作用であちこちの皮膚が切れて出血していたり、手足が裂けそうな痛さを伴っていて、手先を使う筆記とか打鍵がひどく困難にな…

弥生八日、アカギレ

右手の指の手の甲側にアカギレが出来てひどい。指を曲げると、「プチッ」と関節の上に亀裂が入って、ひどい時は出血する。この数日、三本の指にアカギレが出来ていて、なかなかに面倒くさい。 ◇ ◇ 食事を作ったり洗い物をしたりするし、特に右手は利き手でよ…

弥生七日、沈丁花

図書館に出かけた先で自転車を降りると、沈丁花の香りがした。足下で花盛りだった。 ◇ ◇ 二十年以上昔、この町にやってきたとき、最寄り駅から自宅までの道が複雑で弱った。一軒家が密集している古い住宅街で消防車が曲がれそうもない辻を、あみだくじを折り…

弥生六日、啓蟄

春が近づいて土中の虫が蠢き出す頃ということで「啓蟄」。「◯◯の虫」というやつで「本の虫」とか「獅子身中の虫」とか色々あるけど。コリすぎると周りが見えなくなるというか。 大辞林 第三版の解説 むし【虫】 (8) 一つの事に熱中する人。 「本の−」 「芸の…

弥生五日、ウグイス初鳴き

ふだん作文に使っているキングジムのポメラ(pomera DM100)から異音。振ると、チリチリと内部で何かが転がっている音がする。ネットで検索すると、どうやら有名なことらしい。つまり頻繁に発生しているということ。 ◇ ◇ ネットの情報によると底面のカバーを…

弥生四日、日曜日

今日は日曜日、晴れた日曜日だった。 ◇ ◇ 町の中央にある巨木の広場では、木陰を使ってフェアとかフェスタとか開かれていそうな、そんな気分。ああ、映画「ダンテズ・ピーク」の冒頭がそんな感じだったか、と。 ◇ ◇ 朝食を食べ終えて、食器を食卓の上にその…

弥生三日、節句

朝、食卓で新聞を読んでいて、読み終えた前日の夕刊の紙の角をそろえて畳み直すときに思わず「パシッ!」と鋭い音を高らかに立ててしまって、自分の父親を思い出した。田舎の父親も同じようにして、新聞を畳んでいた。 ◇ ◇ ときどき、田舎の父親がここに居る…

弥生二日、詭弁か誤謬か

間違った前提で論じることを詭弁と言うらしいが、野党・某氏の質問は果たして詭弁なのか誤謬なのか。私自身としては政権側を嫌いなんだけど、この件に関しては、政権側の高度プロフェッショナルを裁量労働制からはずすというのは当然だと思う。 質問者は高度…