四季一筆

徒然に。

弥生二十五日、奈良

奈良に来ている。「与楽の飯」(澤田瞳子、光文社、2015)を読んで以来、作中の情景に坂道が登場する、それもかなりきつめの坂らしいので、気になって確かめに来た。
 
◇ ◇
 
東京から新幹線で京都、そして、近鉄奈良線に乗り換えて奈良に到着したのは昼過ぎだった。まずは宿に荷物を預けて春日大社にお参り、さんざん境内を歩き回る。
 
そもそも一の鳥居にとりつくまでが上り坂で、そこから鹿がうろつく参道を二の鳥居まで歩くが、これもだらだら坂。地図で見ると、近鉄奈良駅の辺りから若草山に向かって登り勾配で、春日大社の辺りまでに3キロ2キロほど歩いて百メートル近くの標高を上がることになるらしい。(近鉄奈良駅付近で標高70m、春日大社の辺りが150mの等高線付近、両者間の直線距離が約1.9キロ)
 
なるほど、これが「与楽の飯」の坂の情景であったか、と、何となく納得できそうな気がした。
 
◇ ◇
 
その後、興福寺を回り、駅近くのアーケードをぶらつき、宿に戻った。
 
明日は奈良公園の北側、正倉院、そしていよいよ東大寺の大仏様にお参りするつもりだ。
 
◇ ◇
 
ふだん部屋の中にこもっているので、すっかり運動不足になっている。宿で風呂から上がり部屋に戻ると、NHKテレビで「人体」とかやっていた。運動は体の健康のためにいいらしい、と。
 
はいはい、だから奈良を歩いておりますよ。