四季一筆

徒然に。

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

卯月三十日、はじめてのヒステリー

休日の朝、床に寝転がって本を読んでいた息子が、どうしたわけか60センチ角のクッションふたつを片手に持って、本を読みながらクッションを持った片腕だけを挙げてブン回したものだから、それが仏壇の花瓶に当たって転倒、ろうそく立てと一緒に落下、下にお…

卯月二十九日、アナデジアナ

針式のアナログ時計は、一様な連続量とされる時間を“繰り返される連続量”として表現している。一般的には、12時間で短針が一回転、1時間で長針が一回転、1分間で秒針が一回転というやつだ。短針は1時間で30度回転する。針が全て右回りなのは、北半球で太陽が…

卯月二十八日、何者でもありたくない

▼卯月二十七日、やりたいこと http://d.hatena.ne.jp/kikai-taro/20180427 きのうは「いー歳したオトナが、自分のやりたいことがわからない」なんてうそぶいていると書いたけど(私のことだ)、そのあと気づいたのは、自分は「何かになる」のが嫌なんだな、…

卯月二十七日、やりたいこと

息子は大人になって一体何をやりたいのだろうか――なんて思うけど、「大人になって」という前提自体が有害なのかもしれないな。かといって、社会経験の皆無な息子に「何したい?」と訊ねれば、「チョコミントアイス食べて、マイクラやって、マイクラ動画見た…

卯月二十六日、みんな神様

日本には「悪魔」というものが居ないのかな、と思った。宗教とか神秘主義とかは門外漢だが、ときどき色々と考えてみる。頭の体操だ。 西洋の悪魔は地獄を住処としているようで、もとは天使だったかもしれないが、地獄に堕ちることで悪魔となった。いや、悪魔…

卯月二十五日、いたむ

新聞に鷲田清一氏が「国民への試練」と結論している文章があるが、そのなかで次の部分で、なるほどなぁ、と思った。 激痛は人を「いま」という瞬間に閉じ込める、つまり人から未来と過去を奪うからではないでしょうか (東京新聞 2018年4月20日 夕刊) そう…

卯月二十四日、ふたつの読書

このところ本を読まなくなったなぁ、と思う。「このところ」というのは、ここ十年くらいだけど。 仕事で必要な解説書とかは読まないと話にならないから読むけれども、教養的といえそうな本では、「それ、読んでどうするよ?」の自問自答に粉砕されてしまう割…

卯月二十三日、ハブラシという確率装置

筆や刷毛にベッタリと絵の具やペンキをつけて描くというのは、確実に紙や壁面に着色する方法だが、ハブラシというのは確実に歯を磨く道具として妥当なのだろうか? と、寝る前の息子の口をのぞき込みながら、仕上げ磨きをしている。 ◇ ◇ 絵の具をつけた筆を…

卯月二十二日、地震雷火事親父

殆どの人が気づかないうちに、サッカー場サイズの小惑星が月の軌道より内側を通過していたとか、スマホやパソコンが原因不明の突発的フリーズを起こしたのは宇宙線が原因だったかもとか、日本だけでなく世界的に火山活動が活発になってるんじゃないかとか、…

卯月二十一日、旬が回る

気温が高くなってくると、自然、熱いものよりも冷たいもの、涼しげなものを食べたくなる。ということで、安直なことに、今夜はスーパーで買ってきたパック詰めの鮨。 中に、小さなイカの足(ゲソ)が載ったのがあったが、あれはヤリイカだろうか。ふと思い出…

卯月二十日、穀雨

今年の立夏は5月5日のこどもの日だが、既に夏のような暑さが、穀雨の日にやってきた。息子のお友達は半袖半ズボンだ。息子が「はやく半ズボンを出してくれ」と言っている。 ◇ ◇ 三十年くらい前には、毎年のように5月の笠間(茨城県)に行っていた。陶器市…

卯月十九日、沈黙の左手

左手の人差し指を怪我した。床に落ちかけたプリントを押さえようとして、テーブルに近い左手が伸びたのはいいのだが、人差し指の爪先がテーブルの縁に激突、爪が長さの半分くらいのところで、幅の半分くらい折れ曲がり、割れ、はがれ、血が出た。 もう、痛い…

卯月十八日、楽と苦労の総量

小学校から帰ってきて外で遊びたがる息子を、何とか机に向かわせて、たまり始めている塾の勉強に誘導。宿題が終わっていないのに、しかも塾に行く日なのに、外で遊びたいとか、もうそろそろ無理なんだよ。 人間が進化して社会性を獲得し、おそらくそのときに…

卯月十七日、知らない季節

西から雨が近づいているという天気予報の通りに、夕方から雨が降り始めた。桜の花はとうに散ったこのところ、数日おきに雨がやってきているのは、いわゆる「穀雨」に相当するのだろう。二十四節気の穀雨は今週金曜日だ。 ◇ ◇ 私は田舎の小学校だったので、ク…

卯月十六日、刻まれる記憶

2年前の4月16日は「熊本地震」の本震だった。四日前に入院した父親が、未明の3時に病院からケータイで電話をかけてきて、「うちに帰る」。 自宅にひとり残した妻=私の母親のことを思ってのことか、それとも眠れない夜のラジオで聞いた、かつて住んでいたこ…

卯月十五日、指先でひと払い

それだけで、文明のふたつや三つ、簡単に滅んでしまう。 直径1.2メートルのボールを考えてみた。1.2メートルというと小学校1年生男子の平均身長くらいで、まあざっくりと、運動会の大玉ころがしで使われる大玉くらいの大きさと思ってください。 ◇ ◇ 地球が、…

卯月十四日、車を持たない理由

は簡単だ。運転して楽しくないからだ。これは一般論じゃなくて、あくまでもワタクシ的理由なんだけど、ここは個人のブログだから個人的理由で押し通す。 運転して楽しければ、車を持ちたいと思うし、そのための諸経費にお金がかかっても、楽しければ納得でき…

卯月十三日、ストレス性の腹痛

学校から帰ってきてゼリー飲料を一本空け、アメリカンドッグを2本食べながら学校の宿題を済ませ、「国語って嫌いなんだよなぁ」と言いながらも塾に向かって元気に出かけていった息子だが、しばらくしてケータイから電話がかかってきた。「電車に乗ろうとし…

卯月十二日、ふと思い出す

もう随分むかしの大学生の頃、大学の敷地内の池にコイが泳いでいた。どこの大学にあると思うけど都市伝説というやつで、大学の池はちょっと離れたところにある公共の公園と地下でつながっていて、公園の池と大学の池との間をコイが行き来している――というや…

卯月十一日、ぼんやりさんの季節

先日、算数の筆算で補助数字を書かせないのは、文系官僚の陰謀だ(じょーだん、ですよ)と書いたけど、息子が筆算の繰り上がり、繰り下がりの瞬間にぼんやりしている理由について、あれこれ息子を観察しつつ考えている。 ▼卯月八日、理系離れと筆算 http://d…

卯月十日、電話調査というやつ

息子のお友達の家では、固定電話はなくて携帯電話だけというところもあるらしくて、あ〜、時代なんだねぇ、と思う。 むかしはアルバイトして、お金貯めて、高い権利料を支払って電話加入権を買って、ようやく固定電話を自宅に引くことができた。寮を下級生に…

卯月九日、春休み疲れ

実際に「春休み疲れ」というものがあるのかどうかはともかく、“通常運行”での小学校の新年度時程が始まってくれて、ほっとした。きょうから給食だし、昼ご飯の心配が減っただけでも、かなりラク。その所為だと思うけど、きょうの午前中はどっと疲れが出て、…

卯月八日、理系離れと筆算

塾から渡されている算数の“毎日1枚ドリル”を、おおよそ1問30〜40秒ほどで解いている小5の息子なのだが、どうもケアレスミスが続く。というか、なかなかなおらない。息子自身も採点結果を見て「あれ? あれ? なんでココ間違えたかなぁ」と首を捻り続けて…

卯月七日、山にかえる

山に登るのではない。山に還るのだ、と唐突に思った。 なぜ登るのかと問われて、そこにあるからと答えた登山家がいたらしいけど、実は登っているのではなくて、帰ろうとしているのではないかと。少なくとも日本人にとっては登るのではなく、帰る、場合によっ…

卯月六日、質問の臨界量

「名札入れが壊れているものは、新年度までに新しいケースを用意してください」 きょうは小学校の始業式で、もちろん前日に持ち物は揃えてランドセルに入れて準備万端。新年度の最初の日なんだから、忘れ物や遅刻なんてご法度だ、と。まあ、大丈夫だろうと思…

卯月五日、始業式前夜

ようやく二週間の春休みが終わり、明日はいよいよ新年度の始業式。新五年生となった息子のことである。この春休みの間に、私の体重は3キロ近く増えてしまった。二週間の間、昼ご飯を食べていたからである。 一人の平日には昼食を食べないか、食べても量が少…

卯月四日、偶然という必然

私の好きな映画『ノウイング』(Knowing、アレックス・プロヤス監督、ニコラス・ケイジ主演)に、MITで講義をしている主人公が学生から、先生は宇宙は偶然だと思うか、必然だと思うか、と問われて、宇宙は偶然に出来たもので意味なんて無い――なんて応える場…

卯月三日、正しい差別

息子が「アシュラは遺伝子異常なのかな?」と言うので訊いたら、顔が三つに腕が三組=六本あるなんて、きっと遺伝子異常に違いない、と。 ▼阿修羅 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%BF%E4%BF%AE%E7%BE%85 「あんな具合に腕がたくさんある人…

卯月二日、期待の新人

新年度が始動した月曜日は、入社式や入省式のニュースが流れていた。 わが家にもこの春、新人がやって来た、というか、いつも新人が来ているんだけど、でも長い付き合いになりそうな本がやって来た。 三省堂の「新明解国語辞典 第7版 特装青版」と「故事・こ…

卯月一日、もうひとつの始まり

図書館へ、予約した本を借りに行く途中、近所の大学の新入学生の一団と出会った。大学の玄関前に集まった黒服の親子の集団で、ああそうか、きょうは入学式かと気づいた。4月1日か。学生生活から随分と離れていたので、大学の入学式なんてピンとこなかったけ…