四季一筆

徒然に。

弥生五日、ウグイス初鳴き

ふだん作文に使っているキングジムポメラpomera DM100)から異音。振ると、チリチリと内部で何かが転がっている音がする。ネットで検索すると、どうやら有名なことらしい。つまり頻繁に発生しているということ。
 
◇ ◇
 
ネットの情報によると底面のカバーをはずして、破損した部品なりネジなり破片なりを取り出してやればいいようなのだが、Y字の特殊なネジを使っているので手持ちのドライバーでは歯が立たない。なので、通販A社に注文して即日配達してもらった。
 
ネットの写真付き説明を読み、7個のネジをはずしてみると、銀色の芥子粒のように小さなネジがコロリと落ちた。露わになった内部をよく見ても、一体どこからはずれたネジなのかわからない。
 
車や機械装置を分解して、再び組み立て直してみたものの、ネジが余った……という笑い話を思い出した。
 
◇ ◇
 
ともかく仕方がないので、余ったネジはそのまま取り除いてカバーをつけ直す。その前に、目の前の見えているネジを試したら、ことごとく緩んでいた。締め直してカバーを取り付ける。
 
電源を入れたらちゃんと動いたので、よしとする。余ったネジはその辺の小物入れに放り込んだけど、そのうちなくなるだろう。まるでどこかに染み込んで見えなくなってしまうように。
 
◇ ◇
 
どうせ自分は会社の歯車に過ぎない――なんて嘆き節があるけど、歯車なら未だマシだ。歯車がひとつでもなくなったら、その機械は動かない。大概は歯車じゃなくて、ネジなんだよね。ひとつ二つなくなったところで会社は動くし、似たような代わりはいくらでもある。安いし。
 
でも、時々、特殊なドライバーでないと回らないネジがあったりする。
 
◇ ◇
 
隣の庭からウグイスの声。今年の初鳴き。谷渡りまでいくんだけど、ひどくぎこちなくて下手くそだ。カミサンによると若鳥なんだそうだ。上手に鳴くウグイスは何年か前まで毎年裏の畑にやってきて、高らかに鳴き渡していたけど、ここ数年はやってきていない。その子どもかな。
 
◇ ◇
 
息子が、ピンクの鉛筆キャップはイヤだ、というのでメタルに交換してやった。転がるけど、ピンクよりはずっとマシなんだそうだ。そういう年頃になったか。