弥生十九日、延長不可
先日、出先で「絵画表現のしくみ」(美術出版社、2000)を眺めていたら、巻末にある画家インタビューに紙を何年か寝かせてから描く、のようなことが載っていた。その作家はパステルを使うんだったと思うけど、紙って寝かせると違うのか、そうなのか。
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寝かせるということでは、私もいわゆる“積ん読”という病がひどくて、例えば図書館から借りてきた本を貸し出し期限の二週間が経とうかという辺りになって、ようやく開く――なんてことはざらにある。下手すると、次の借り手の予約が入っていないときには、延長貸出の手続きをして、さらに二週間熟成させることになる。
そんな具合に延長も含めた四週間を経ても、まだ寝かせ方が足りないような気がして、なかなか表紙を開くことが出来なくて、とうとう図書館のその本と同じものを古書店で買い求めたりする。
ほんと、何やってんだろ。
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「読みたい」と思ったら図書館で借りたりネットで買ったりするが、手元にやって来たその本を素直にその場ですぐに読み始めるのかというと、そうではなくて、いま読んでいる本に操を立てるのか何か自分でもよくわからないのだが、“積ん読”の列に並んでもらって、結果、書棚で熟成されることになる。
おかげで、家の中に本が徐々に増殖する。
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先日、ラジオの朗読で聞いた井上靖の「大洗の月」をしっかりと文字で読みたくて、図書館から借りてきたんだけど、そろそろ返却期限。しかも私の次に予約が入っているので、延長は不可能。
そして、ネット通販某A社のサイトで、その本を検索して、ふぅ〜ん、1900円しなくて送料ありで手に入るのかぁ、なんて思っている自分を見つけた。
そんなことしてるくらいなら、さっさと読めばいいのに。