四季一筆

徒然に。

弥生二十日、春のテンキ

きょうで息子の小学校4年生の授業が修了。帰ってくるなり「宿題、ないよ」て、そりゃそうだろう。地方によっては卒業式だったところも多いらしい。
 
明日は春分の日で、お寺で春の彼岸の法要があるので、帰ってきた冬の嵐の中を出かけることになる。天気予報が「一番暖かい格好をしてお出かけください」と言っていた。
 
23年前、こんな時季に地下鉄サリン事件が起きたのか。
 
◇ ◇
 
その日、N野駅でT西線に乗り換えるため、明るい朝の斜めの日射しの中、O窪駅のホームに立っていたのを何となく憶えている。電車が遅れていて、どこかで事故だか火事だかと聞いた気がする。
 
ことの次第がわかったのは、会社に着いてから。職場で、普段からつけっぱなしのテレビで報道していたと思う。自分には関係ないや、と思っていたから、あまりよく憶えていない。
 
◇ ◇
 
職場から目と鼻の先と言ってもいいくらいの近いところで一大事が起きていた、そして、そのことが私個人の心象や歴史的な楔(くさび)として残るなんて思わなかった。
 
いまでも1995年は私的に歴史的転換点であり、阪神淡路大震災地下鉄サリン事件は糊付けされてしまった栞(しおり)のように不動の場所として私の記憶にとどまり続け、参照点として機能している。
 
◇ ◇
 
それから一年後の春、冷たい雨の日に私は結婚し、カミサンはO窪駅から新居へ引っ越すことになるのだった。