四季一筆

徒然に。

弥生十四日、白日

すっかり暖かくなって、自転車に乗るのに手袋が煩わしくなってきた。指なしに切り替える季節が訪れた。暖かさのおかげでサクラの開花予想が早まっているらしい。卒業式に花びら、入学式には若葉となるか。
 
◇ ◇
 
朝、ゴミを出しにでると、空には雲がなくどこまでも晴れて明るかった。けれども、何となく白っぽく粉っぽい感じがするのは、春霞というやつか。「かすみ、て何?」と息子。建物がたて込んでいて遠景がないから、たなびく様子もわからない。
 


大辞林 第三版の解説
かすみ【霞・翳】
 
(1) 空気中に浮遊するごく小さな水滴・ちりなどのために、遠くのものがはっきり見えなくなる現象。また、そのために、山腹などに帯状に見える薄雲のようなもの。普通、春のものをいう。 [季] 春。 「 −がたなびく」 → 霧
 
 
「じゃあ、夏は?」。普通に湿気が多くて空は何となく白っぽいから、気にもしないよ。「冬は?」寒すぎて乾燥してるさ。秋は靄(もや)かな。
 
たぶん理科の範疇なのだろうが、観察しようにも観察の場がない。だから、どうしても文字情報偏重になる。日常に刺激が満ち溢れていても、実体験で観察するための素材が貧弱だ。
 
◇ ◇
 
昼から所用で都庁前まで出かけた。地下鉄構内はひんやりしていても、地上にあがると暑いので、とうとう綿シャツの長袖を両腕とも折り返して、上着はリュックに押し込んでしまった。
 
パスポートセンターが混雑していたのは、ゴールデン・ウィークの用意だろうか。そういえば、7年前の3月、原発事故のあとのパスポートセンターは大変な混雑だった。
 
◇ ◇
 
帰宅して、カミサンと話をしているときに、日めくりに目をやると「ホワイトデー」とある。ああ、そうだったか。すっかり忘れていた。ごめん。でも、チョコを食べた記憶が無いんだけど。て、息子が横から手を出して強奪したっけ。だから記憶に無かったのか。カミサンは、ちゃんと二人分買ってきたよと言うが、息子が二人分を食べたのだった。