四季一筆

徒然に。

皐月十二日、三度目の欠陥品

食事時、カミサンと息子が話しをしていて「二度ある事は三度ある」と「三度目の正直」というのが出てきて、ハッと思った。
 
どちらも、1回目、2回目のいずれも好ましくない結果が出てるんじゃね? それって、システム的にどうよ、欠陥品じゃないの? って。
 
◇ ◇
 

大辞林 第三版の解説
にどあることはさんどある【二度ある事は三度ある】
 
同じことが二度起きれば、続けてもう一度起きる。物事は繰り返すものである。
 
辞書的には「同じこと」とサラッと表現されているけれども、「二度ある事は三度ある」というときは、良くないことが二度起きているんだから、同じように三度目が起きる可能性が高い、だから用心しなさいよ、という意味で使われることがほとんどだろう。
 
ラッキーが二度続けて起きたから、三度目も起きる――と考える人はいるだろうけど、ちょっと楽観的すぎるとワタクシ的には思うのだ。「柳の下にいつも泥鰌は居ない」というやつだ。
 
◇ ◇
 
デジタル大辞泉の解説
三度(さんど)目の正直(しょうじき)
占いや勝負で、一度や二度は当てにならないが、三度目は確実であるということ。転じて、物事は三度目には期待どおりの結果になるということ。三度目は定(じょう)の目。
 
大辞林 第三版の解説
さんどめのしょうじき【三度目の正直】
 
最初の二回は失敗したりしてあてにならなくても、三回目はうまくゆくこと。
 
と、前二回の失敗は水に流して三度目に期待しましょう、と。
 
◇ ◇
 
「二度ある事は……」は二度も失敗している原因を棚上げして三度目に気をつけましょうと言っているみたいだし、「三度目の……」は無責任・無根拠にも三度目の試行が成功すると言っている。
 
どちらもこれまでに2回失敗している。つまり、期待した結果が出ていないのだから、ここで立ち止まってやり方なり条件なりを確認するとか、別の時期まで延期するとか、関係各方面と調整が必要なんじゃないかとか、そんな具合に頭を働かせるべきなんだけど、その辺を根性と勢いで「えいやっ」とやってしまおうとするところが、システムに如何なものか、と思うのだ。
 
◇ ◇
 
そんなことはわかりきってやっているのだとすると、この「二度ある……」と「三度目の……」の状況というのは、実は実験室環境、テスト場面なんじゃないかと思えてくる。「二度起きたエラーは三度目に起きる可能性がある」としても、「たとえ三度目にうまくいかずエラーが発生する」としても、実験室環境から実害が漏洩しなければ無問題だ。
 
◇ ◇
 
もうひとつ考えられるのは、何の反省も検証もなく三度目の試行を行わせようとする勢力が、その場に存在しているのではないか、そしてその勢力は三度目の試行で“失敗することを期待している”のではないか。
 
成功したらまさにラッキー、失敗してもメリットが返ってくる、という政治的にドロドロとどす黒い何かが流れているんじゃないか、と。
 
◇ ◇
 
ともかく、二度までも失敗して三度目を……という時点でアウトなので、冷静になって見直しをしたほうがいいです。
 
でも、こういうこと言うと「だからオマエは石橋を叩いて叩き壊すんだよな」と言われて、嫌な顔されるんだよね。