四季一筆

徒然に。

睦月二十八日、店の価値を決める

朝から曇り空で、寒さでカーテンを締め切った部屋は薄暗いので、ほぼ一日照明を灯して過ごしていた。きょうは家族全員が特に用事もない所為で、遅くまで眠ってしまった。玄関外の朝刊が呆れていたことだろう。
 
昼から、勉強に疲れた息子が、出かけてくる、脚動かさないと駄目だ、なんて言うので、図書館に本を返しに行くから一緒に行こうと誘った。息子はコーラガムが欲しい、でもあれは学校の近くのコンビニじゃないと売ってないんだ、と言う。図書館は反対方向だが、もしかしたら図書館の近所のコンビニにもあるかもよ、と付き合わせることにした。
 
◇ ◇
 
道路にはあちこち、まだまだ雪と氷とが黒く汚れて残っていて、乾いている轍の上をそろそろと人も自転車も用心して通っている。それなのに、次の雪がやってくるよと予報では言っているそうで、もっと融雪剤を買っておくべきだったなぁ、と。
 
いろいろ調べてみると、塩化ナトリウム、塩化カリウム塩化カルシウムなどの塩化物の融解熱を使っているタイプがあって、これらは金属を錆びさせたり植物を枯らしたりするけど、25kg入りとかで買うと安価だ。
 
いっぽう、ヤシガラ活性炭を使った融雪炭のようなものがあって、これは黒い色が熱を吸収することで周囲の雪をとかすというもの。これはそのまま土にすき込んでやると肥料となるから、たぶん畑の上に積もった雪をとかすのが想定だろう。
 
無塩の融雪剤というのがあって、成分を見ると尿素だそうだ。雪の上にまくと一時間もしないで効果が現れるそうで、1kgが500〜600円くらい。塩化物と較べると5倍くらい高いのだが、効果が現れる時間もそれくらい早い。
 
◇ ◇
 
まあ、いずれにしてもAmazonでは品薄で、いつ届くと知れないから、次の雪には間に合わないだろう。こんなの町内会で購入しておけばいいんだよ。融雪ホースとかさ。
 
◇ ◇
 
図書館まで行って本を返し、息子は自分の利用カードで何やら一冊借りていた。帰り道、図書館のそばのコンビニSに寄ってみたけど、コーラガムは見当たらず。仕方ないのでうちへ帰る道々、もう一軒のコンビニFに寄ってみるけどやはり取り扱っていない。学校そばの店はここと同系列なんだけど。
 
すると息子はレジの店員さんに、直接訊ねている。残念ねぇ、ごめんね、無いみたい、と陳列棚まで出てきておねえさんが教えてくれた。へぇ、息子はこんなことが普通にできるようになっていたんだ、と親の不明を恥ずかしく感じてしまった。大人相手に、ちゃんと質問できてるじゃん。大きくなったなぁ。
 
◇ ◇
 
結局、長々と図書館から戻ってきてうちへの道を通り過ぎて、学校そばのコンビニに行き、そこで息子はコーラガムを買ったのだった。小学校の近くなので、駄菓子のようなものが先の2店にくらべて充実しているのか。
 
このコンビニ、知らないうちに新装開店していて、店舗面積が広くなり陳列スペースが広がったばかりか、イートインまで出来ている。窓際のカウンターとテーブル席がいくつか並んでいる。へぇ、そうなんだ。
 
このイートインを誰が使うのか、実際に見てみたいもんだけど、こういうところで休んだり打ち合わせをできるのは、便利でいいな。仕事に疲れたらぼんやり歩いてきて一休みするか。この辺は自営業が多いから、ちょっとしたサロンとなる可能性もあろう。
 
◇ ◇
 
きょうは日曜日の午後で学校も休みだし、お客は少なく閑散としていた。バイトとおぼしきオニイサンが一人、店番をしていた。
 
こういう仕事は、いわゆるマニュアル仕事で(そのマニュアルは相当分厚いらしいけど)、殆ど決まりきった仕事で面白みもないかなぁ、退屈だなぁ、みたいな店員さんも散見されて、あまりこちらとしては気分の良いものではないけど、こう考えたらどうだろうか。
 
イートインのようなスペースで、重大な契約に繋がる商談が始まっていたり、世界を変えるようなアイディアが生まれようとしてるかもしれない。自分の受け持ち時間にそんなことが起きていると思ったら、わくわくするじゃないか。
 
そりゃもちろん、そんな他人の金儲けとか幸運とかが、そのコンビニ店の売り上げには現れるものではないし、バイトの給料が上がるわけでもない。けど、そういうのって、意外と回り回ってきたりするもんだよね。