四季一筆

徒然に。

皐月七日、そんな装備で大丈夫か

登山計画書をきちんと提出する人であっても、リスクをゼロにすることはできない。それなのに、積雪にローカットの靴とキャリーケースの人がいて驚いた。新宿駅で乗り換えてんじゃないンだからさぁ……
 
◇ ◇
 
毎年大型連休や夏休みに山での事故が報じられるが、軽装備による遭難がかなりある(んだよね?)。この連休、わが家も北アルプスに行ったけど、標高2,000m超は久しぶり過ぎて苦しかった。カミサンと息子は初体験。
 
幸いなことに、立山黒部アルペンルートの個人ツアーを旅行会社に作ってもらって、移動の殆どは公共交通機関に乗っかっての旅だったので、登山というほど大仰なものでは無かった。しかし、天候の急変などリスクが下界より何倍も高いので、それなりの装備で行ってきた。空気薄いし。
 
何しろ、室堂に近い“みくりが池温泉”は「冬装備で来い」と言ってるくらいだから、ピッケル、アイゼン、ザイルなんてものは持って行かないにしても、最低限度の足回りに雨具、防寒防水の服装なんてものは揃えていく。サングラスに毛糸の帽子も必携。下界に降りれば夏日なんだけど、そこは仕方ない。
 
◇ ◇
 
到着の前日は吹雪だったそうで、重たい雪が30〜100センチ新たに積もって一面の銀世界だった。なのに、セーターに運動靴とか、ちょっとそれどうなの、というような「カジュアル」な格好の人がいて驚く。
 
室堂のホテル立山から山側を見上げると、一ノ越方面がズ〜〜っと銀座並みの混み方で人が登っているもんだから、あれ? 私も行けるんじゃない? なんて勘違いしちゃうひともいるんじゃないかな。
 
◇ ◇
 
この半世紀で開発された山岳観光地として、たくさんの人達の多大な努力によって快適に過ごせる場所が出来上がったというのはいい。ワタクシ的にも非常にうれしい。標高2千5百メートルにウォシュレットだよ? すごいじゃん!。
 
しかし、あまりにも簡単に到達できるようなテーマパーク的システムがルーチンワークで、こうやってカッチリと回っているのを見て、「あれ、こんなに近くて簡単、便利なんだ♥」なんて勘違いすると危ないよなぁ――と思っていたら、同じことを心配している地元の人もいたので安心した。こういう人がいれば大丈夫だろう。
 
◇ ◇
 
ともかく、どんなに低くても山は山です。平地とは違います。お互い心しましょう。ちょっと間違えると死にます。その辺のこと、わが息子は少しでも感じてくれただろうか。
 
小学生と父親の二人連れが、千メートルほどの山で遭難したとかウェブ・ニュースで見たけど、どうか無事に見つかりますように。