四季一筆

徒然に。

睦月三十一日、月を失う

今夜は月食で、時間的には観測がし易いとは言え、なにより寒くてそれどころではない。本影食の始まりで何枚か撮ってきたが、カメラの電池が冷えすぎて上がってしまいそうなくらいに寒い。早々に退散した。もう少し暖かいといいんだけど。
 
NHKの中継映像を眺めることにする。
 
◇ ◇
 
早いもので、今日で一月が終わる。一年のうちの12分の一、つまりひと月が過ぎようとしている。正確には8.49%か。この調子であと11回繰り返すと、次の年末年始になる。誰かに向かってではないけど、うろたえて「どうしてくれるんだっ」とか喚きたくなる。失われた一ヶ月を振り返って、さて、明日からの残りをどうするか、と思う。
 
今日は2018年1月の最終日=晦日みそか)だ。今日をもって、今月は永遠に失われる。同じことを年末にも考えていた。きょう大晦日をもって2017年は永遠に失われる、て。
 
◇ ◇
 
晦日」の「晦」(かい)には月末という意味があるが、「暗い」という意味もある。「月がない闇夜」を表す。陰暦は月の運行で暦を数えていたから、新月から始まり新月に終わる。新月は、月のないときだ。すなわち満月(望)の反対。
 
月食は必ず満月のときに起こり、今夜も満月だ。その満月が今月の晦日に巡り来て、よりにもよって月が暗くなる皆既月食の日となった。文字通り、月のない夜、晦日となった。
 
欠け始めの月をみて、さて、あと11回をどのように進むかね、と問われている気がした。「晦」には「よくわからない」という意味もある。「後悔」の「悔」にも似ている。心の中のくらがりなのだろう。