四季一筆

徒然に。

正月十日、援軍を得る

けさ眺めたスーパーの新聞折り込みチラシだけど、野菜がさりげなく退いてあって、ああ、売る側も困ってるんだなぁ、と感じた。本当に、品薄の野菜には困ったもんだ。きょうの大半の時間は、晩ご飯のおかず、それも野菜っ気をどうするか、てことばかり考えていたような気がする。

日本橋茅場町に用事で出かけてみると、空はかっきりと晴れていて迷いようのない色だったが、相変わらず晩ご飯の献立に迷っていた。野菜どうするかなぁ、て。

◇ ◇

夕方の帰り道、近所のスーパーに立ち寄ってみると、周りにいる他のお客さんたちも、何だか呆然としたような面もちで野菜売場をうろうろしている。賞味期限ぎりぎりの2割引ワゴンに人が集まったりしているけど、買物カゴの中に野菜は入っていない。かと思うと、どうしたの? と思う勢いで、ばら売りのジャガイモをカゴに放り込んでいたりして。

あ〜、まだ決まらない。どうする、どうする。……て、珍しく安かったピーマンと、赤と黄色のパプリカをカゴに入れ、貧乏人の味方のモヤシを入れて精肉売場に行ってみると、厚みが5センチ以上もありそうな巨大なステーキ肉が信じられないくらいの安値で並んでいた。こんなもん、食えねーよ、と思いつつ、はっ、とそこでひらめいた。

ああ、タケノコの水煮があるじゃないか。千切りのタケノコを水煮にしてパックしたやつが。あーそうだ、そうだ、と野菜売場に取って返して包装を見ると、消費期限は6月とある。多めに買っておいても大丈夫だ、と判断して幾つか買ってきた。1袋150グラム入り95円。頭の中では、すでにタケノコと人参とキノコの餡かけが出来上がっている。

ピーマンと牛肉と合わせれば青椒肉絲になるし、椎茸と豚肉と合わせれば酢豚方面に進行よろしく。

これなら、「加熱用」とラベルを貼った白菜の芯だけをざく切りにして詰め込んだパックを買う必要もなく、妥協することもない。ということで、消去法的に青物野菜を買うことなく済ませたのでした。