四季一筆

徒然に。

正月七日、人日、七草


今日は七草でした。

朝食に七草粥は、早起きがきついので昼ご飯に出すことにして、午前の遅い時間に晩ご飯の仕込みをしてから制作開始。スーパーで買ってきた400円ほどのパックでは、スズナスズシロ以外の緑が少なくて、刻んでみると皿の上でちんまりとしている。

湯通しをしてから、釜の中の出来上がりのお粥さんの上に散らそうと思っていたけど、息子の「ぼくのには入れないで」発言で、刻んだ七草は器に持って食卓に出すことにした。て、「入れないで」て、それ、七草粥じゃないじゃん。

まあ、いいか。他には刻み海苔、鰹節、西の甘い醤油、白いすりごまを用意。お椀のお粥さんの上に各自適当に散らして食べられるように。それからタンパク質には、今晩用の惣菜の中から鶏団子と、きのうの残りの鳴門巻きを短冊切りにして煮たものを並べた。よそってみたら、それなりに見られる。

箸の使い方が上手くない息子には木製のレンゲを用意。ところが、なかなか口に運ばない。レンゲの上にお粥さんを載せて、見ると水切りしている。「どろどろして、なんか水っぽいから。それに変な味するし」。話をよく訊いてみると「変な味」とはコメの味のこと。十歳の息子は、これまでにお粥さんを食べたことがないのに気づいた。これが息子にとっての“初粥”なのだった。

もう、猛烈に反省しましたよ。この歳になるまでお粥さんを食わせたことがない、て、うちはどんな家庭なんだって。

食べ物には慎重で冒険心の欠片もない息子なので、初めての味に加えて、好きでもない緑色の野菜のクズのようなものが載っているので、とても食えたもんではない――という判断だった模様。けど、これ食わないと腹減るぞ、塾の授業中に空腹で死にそうになるぞ、と脅して、味が気になるなら鰹節、刻み海苔を散らして醤油を垂らしてごらん、といって食べさせたところ満更でもない様子。

もうちょっと食べたいかな、と考え直した顔をしていた息子に、母親が「残り、わたしが全部おかわりして食べた」と終結宣言。はい、しゅーりょー。

 ◇ ◇

午後から一人で、線路向こうのお稲荷さんに遅い初詣。もうすっかり閑散としていて、お守りをしているらしい方に挨拶して、お焚きあげをお願いし、新しいお守りをいただいて帰ってきた。

マンションの集合ポスト前で、上階のアイリッシュのM氏に出会い「A happy new year!」「あけましておめでとうございます」と挨拶。「モウ、オソイ?」「遅くない遅くない」と。そう。東京では、きょう正月七日までは松の内だから大丈夫だと思う。

 ◇ ◇

息子は晩ご飯のおでんをうどん1人前半でしめて満足そうだった。好物はこんにゃくとお餅の入った巾着、そして最後は必ずうどん。塾に出る直前に飲ませたゼリー飲料は、それなりに効いたのだろう。空腹で死ぬことなく戻ってきたから。