四季一筆

徒然に。

皐月二十三日、この夏は鶏の下処理が目標

ある雑誌に載っていた台湾風ソースを作った。 黒酢、砂糖、醤油、刻みネギ、山椒粉、酒、コリアンダー、すりおりしニンニクで作り、薄く切った茹で鶏肉にかけて食べるんだけど、そうやって茹で鶏をひと切れ口に入れたところで息子が「うっ!」と口を押さえ、…

皐月二十二日、ほめられるのが苦手

子供の頃はどうだか忘れたが、大人になって気づいたのは、自分がほめられるのが苦手だということ。他人からほめられると気持ち悪いのだ。居心地が悪いとか、照れちゃうとかとは違って、憎悪を感じるくらいに「それ、違うだろ!」と。 けれども、そこはオトナ…

皐月二十一日、美人の責任と醜男の芸術性

ふと、醜男を主人公にした物語はどうだろうか、と思った。 大概の人間は美男美女ではない。美男美女、いわゆる美人というやつは、人々の生活圏や体験における平均顔らしくて、日本人には日本人の平均顔が、アングロサクソンにはアングロサクソンの平均顔が、…

皐月二十日、休日なのに人がいる

用事で有楽町まで行ってきた。吹く風には少し肌寒さを感じるけど、青空と白い雲が新海誠的でまぶしかった。 千代田線の二重橋駅で降りて、有楽町まで歩いた。休日の丸の内なんて本当に久しぶり。大きく育った並木の緑の繁り具合に驚いたし、何よりもたくさん…

皐月十九日、品薄

神棚の榊一式を取り替えようと思うのだが、これまで買ってきたスーパーの店頭に見当たらない。仕方ないから商店街の花屋の店先も見てみるが、こちらも無い。品薄なのだろうか。 スーパーのサカキは中国産のヒサカキというやつで、この一年くらい品質が落ちて…

皐月十八日、赤信号みんなで渡ると…

昔から言いならわされていることだけど、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」について。 実用日本語表現辞典 赤信号みんなで渡れば怖くない 読み方:あかしんごうみんなでわたればこわくない 別表記:赤信号皆で渡れば怖くない 禁止されていることも、集団で…

皐月十七日、冷房(クーラー)

ここ数日の暑さで、とうとう冷房を回し始めた。部屋の中はいろいろと熱源になる機器類があって、外が快適な温度でも部屋の中は暑くなりやすい。 思えば、空調を使わないなんて春と秋のそれぞれ十日間くらいしかなくて、それ以外は夏側は冷房、冬側は暖房をず…

皐月十六日、適当とテキトー

朝のラジオ番組で、「きょうのおたよりテーマは“テキトー”」だった。番組の始まりだけ聞いてあとは忙しくて聴けなかったけど、頭のどこかにずっと「適当」が残っていたので、書いてみる。 ▼すっぴん!|NHKラジオ第1 http://www.nhk.or.jp/suppin/ ◇ ◇ まず…

皐月十五日、大人の揚力

先週休んでしまった塾の授業内容を確認する小テストがあるから「いやだなぁ」と言っていた息子だけど、いざ塾に行くときになると「別に不安じゃないよ。安心してる。諦めたから」とのたまう。 あー、「安心」の裏書きは「諦め」ですかい。 ◇ ◇ 心が穏やかで…

皐月十四日、学校の怪談の理由(わけ)

「ヤオヨロズ、て何?」と息子が訊くので、数がたくさんあること、と答えた。なんでいきなり八百万なんだ? 「うん、べつに」。「“八百万の神々”くらいしか、使わないよね」とカミサン。“八百万の神”というのは多くの神様、あらゆる神様のこと。神道的な世界…

皐月十三日、好き嫌いの勘定

夕食の席で、いきなり息子が質問してきた。「テレポート能力が欲しい? それとも飛翔能力がいい?」。おそらくさっきまでプレイしていたマイクラのことだろうと思い、飛翔能力がいい、と応えた。「なんで?」 空を飛べるなら、広いエリアを眺め渡して状況を…

皐月十二日、三度目の欠陥品

食事時、カミサンと息子が話しをしていて「二度ある事は三度ある」と「三度目の正直」というのが出てきて、ハッと思った。 どちらも、1回目、2回目のいずれも好ましくない結果が出てるんじゃね? それって、システム的にどうよ、欠陥品じゃないの? って。…

皐月十一日、“滑らない”投資

うちでは、物が落ちたり倒れたり壊れたり、そしてそんなろくでもないことが立て続けに起きたときには「落ち神(おちがみ)さんがいらした」と言っている。本当にそんな神様がおわすのかどうかは知らないけど、息子が小さいときには「ほら、落ち神さんがいら…

皐月十日、三文の“得”

きのうは、よく眠ることが一番大切、なんてことを書いた。 ▼皐月九日、眠ろう http://d.hatena.ne.jp/kikai-taro/20180509 それまで毎日10時間眠っていたのが、塾通いで睡眠時間が減ってから勉強の成績が落ちたんじゃないかと、40年以上経った今頃になって気…

皐月九日、眠ろう

シャワーを浴びながら、最後にきちんと眠っていたのはいつだったんだろう、と思い始めた。 小学生の頃、就寝時間は午後8時で、土曜日だけは特別に『8時だョ!全員集合』を見てから9時に寝ていた。だから、当時は10時間近く毎晩眠っていたはずだ。 それが短…

皐月八日、いつも何かを待っている

かつては、待つことが物凄く苦手だった。何かを待っているというのは、大概は何かろくでもないことを待っているのであって、このまま待っていても、待たずに席を立っても、いずれにせよろくでもない結果になることがわかっていた。 一種の“究極の選択”のよう…

皐月七日、そんな装備で大丈夫か

登山計画書をきちんと提出する人であっても、リスクをゼロにすることはできない。それなのに、積雪にローカットの靴とキャリーケースの人がいて驚いた。新宿駅で乗り換えてんじゃないンだからさぁ…… ◇ ◇ 毎年大型連休や夏休みに山での事故が報じられるが、軽…

皐月六日、富山を上から下から

きょうは魚津まで行った。 ◇ ◇ 立山・室堂からバスでどんどん高度を下げていくと、標高1500メートルくらいで耳が「ぽんっ」と鳴った。そこで気づいたのだが、標高が高いと耳抜きの「ぽんっ」が鳴らないのかもしれない。カミサンも同じようなことを言っていた…

皐月五日、断捨離には山行き

Amazonのお薦めで、山に行けとか、行くなら北アルプスだとか表示されるからじゃないけど、立山に来ている。 長野から特急バスで信濃大町経由の扇沢、そして関電トロリーバスで石原裕次郎の黒四に参拝し、そこから大観峰を越えて室堂までやってきた。 荒天と…

皐月四日、目が回る

用事があって元麻布の辺りに行ってきた。とにかく都営線の地下鉄から地上に出ると地面が傾いていて、坂が多い。武蔵野台地の端に位置するため、侵食で高低が生じたらしい。 鳥居坂の交差点に向けて国際文化会館のほうから降りてきた車が、鼻先を路面にこすり…

皐月三日、白髪、白ヒゲ

どうしてこんなにも白髪が伸びるのが早いんだろう、と思いながら、洗面所の鏡をのぞいていた。 気の所為とかではなくて、実際に伸びる速度が黒髪より早いらしい。そして太く真っ直ぐなので、ピンピンと立って目立つ。 ◇ ◇ 頭に白髪が生え始めたのは三十代後…

皐月二日、ありふれたアナタの特別席

みんなと同じで Amazonでよく買物をする理由は、地元に欲しい商品がないから。書店もスーパーもドラッグストアもそのほかの個人商店も、ワタシの欲しいものを置いていないので、自然、Amazonで注文することになる。 ぽちっ。 ◇ ◇ 息子が湯水のように本を読む…

皐月朔日、五分の魂

台所でカミサンが「うわぁあ、おぅ!」と驚いているので何かと見れば、レンジフードの角から小さめのハエトリグモが、ツツっぅーとカミサンの鼻先に降りてきていた。あ〜、殺さない殺さない。益虫だから。ゴキなら発砲を許可するけど。 降りてきて、途中で止…

卯月三十日、はじめてのヒステリー

休日の朝、床に寝転がって本を読んでいた息子が、どうしたわけか60センチ角のクッションふたつを片手に持って、本を読みながらクッションを持った片腕だけを挙げてブン回したものだから、それが仏壇の花瓶に当たって転倒、ろうそく立てと一緒に落下、下にお…

卯月二十九日、アナデジアナ

針式のアナログ時計は、一様な連続量とされる時間を“繰り返される連続量”として表現している。一般的には、12時間で短針が一回転、1時間で長針が一回転、1分間で秒針が一回転というやつだ。短針は1時間で30度回転する。針が全て右回りなのは、北半球で太陽が…

卯月二十八日、何者でもありたくない

▼卯月二十七日、やりたいこと http://d.hatena.ne.jp/kikai-taro/20180427 きのうは「いー歳したオトナが、自分のやりたいことがわからない」なんてうそぶいていると書いたけど(私のことだ)、そのあと気づいたのは、自分は「何かになる」のが嫌なんだな、…

卯月二十七日、やりたいこと

息子は大人になって一体何をやりたいのだろうか――なんて思うけど、「大人になって」という前提自体が有害なのかもしれないな。かといって、社会経験の皆無な息子に「何したい?」と訊ねれば、「チョコミントアイス食べて、マイクラやって、マイクラ動画見た…

卯月二十六日、みんな神様

日本には「悪魔」というものが居ないのかな、と思った。宗教とか神秘主義とかは門外漢だが、ときどき色々と考えてみる。頭の体操だ。 西洋の悪魔は地獄を住処としているようで、もとは天使だったかもしれないが、地獄に堕ちることで悪魔となった。いや、悪魔…

卯月二十五日、いたむ

新聞に鷲田清一氏が「国民への試練」と結論している文章があるが、そのなかで次の部分で、なるほどなぁ、と思った。 激痛は人を「いま」という瞬間に閉じ込める、つまり人から未来と過去を奪うからではないでしょうか (東京新聞 2018年4月20日 夕刊) そう…

卯月二十四日、ふたつの読書

このところ本を読まなくなったなぁ、と思う。「このところ」というのは、ここ十年くらいだけど。 仕事で必要な解説書とかは読まないと話にならないから読むけれども、教養的といえそうな本では、「それ、読んでどうするよ?」の自問自答に粉砕されてしまう割…